#12 ネット上で自分の性器を見せる男性は何を思っているのか

書誌情報:

 

Oswald, F., Lopes, A., Skoda, K., Hesse, C. L., & Pedersen, C. L. (2020). I’ll Show You Mine so You’ll Show Me Yours: Motivations and Personality Variables in Photographic Exhibitionism. Journal of Sex Research, 57 (6), 597–609. doi: 10.1080/00224499.2019.1639036.

手法:

 

①調査手法:質問紙法
②調査協力者
 性器の画像を送ったことのある男性(送信者):523名(平均年齢=33.68歳,SD=10.96)
 性器の画像を送ったことのない男性(非送信者):564名(平均年齢=30.99歳,SD=8.86)
  ⇒すべて異性愛者
③変数
 1.パーソナリティ変数
  ・ナルシシズム
  ・Erotophilia-erotophobia
  ・好意的セクシズム
  ・敵意的セクシズム
 2.望まれていない性器画像(unsolicited genital images)を送る動機
  ・6因子:取引的(tansactional)マインドセット,パートナー探し,性的/個人的満足,権力と支配,子ども時代の未解決の葛藤,女性嫌悪
  ・3件法
 3.受け取った人にどのような反応を望むか
  ・11項目:性的興奮を感じてほしい,魅力を感じてほしい,価値あるものと思ってほしい,ショックを受けてほしい,恐怖を感じてほしい,嫌悪を感じてほしい,怒りを感じてほしい,恥を感じてほしい,受け取った人の自尊心が傷ついてほしい(devalued)
   「私のペニスにネガティブな反応よりもポジティブな反応を返してほしい」「私のぺニスにネガティブな反応を返されるよりも何の反応もない方が嫌だ」
  ・3件法

分析:

 

①送信者と非送信者間のパーソナリティ変数のMANOVA(Table 3)
・ナルシシズム:送信者M = 6.68, SE = .158)よりも非送信者M = 4.87, SE = .152)の方が値が低いF (1, 1085) = 68.11, p < .001)
・Erotophilia-erotophobia:送信者M = 60.26, SE = .788)よりも非送信者M = 59.47, SE = .759)の方が値は差がないF (1, 1085) = .526, p > .05)
・好意的セクシズム:送信者M = 18.26, SE = .282)よりも非送信者M = 16.31, SE = .271)の方が値が低いF (1, 1085) = 24.73, p < .001)
・敵意的セクシズム:送信者M = 17.54, SE = .312)よりも非送信者M = 14.52, SE = .300)の方が値が低いF (1, 1085) = 48.78, p < .001)

②送る動機(Table 5)
・肯定率が高かったのは以下の順
 1.取引的マインドセット:44%
  例:「相手がセクシーな写真を送ってくれることを期待してペニスの写真を送ったことがある」(51.2%)
 2.パートナー探し:33%
  例:「誰かを興奮させるためにペニスの写真を送ったことがある」(53.0%)
 3.性的/個人的満足:18%
  例:「ペニスの画像を送ることは私を興奮させる」(27.0%)
 4.権力と支配:9%
  例:「ペニスの画像を望んでいない人にそれを送りつけるのは楽しいことだと思う」
 5.子ども時代の未解決の葛藤:6%
  例:「小さい時に体験した裸で動き回れる自由が恋しい。ペニスの画像を送れば気分が良くなる」(6.7%)
 6.女性嫌悪:6%
  例:「女性に対して嫌悪感があり,ペニスの画像を送ることは私を満足させてくれる」(5.7%)

③受け取った人にどのような反応を望むか(Table 6)
・肯定率が高かったのは以下の順
 1.性的興奮を感じてほしい:82.4%
 2.魅力を感じてほしい:50.1%
 3.価値あるものと思ってほしい:22.0%
 4.ショックを受けてほしい:16.8%
 5.恐怖を感じてほしい:14.5%
 6.嫌悪を感じてほしい:10.9%
 7.怒りを感じてほしい:8.6%
 8.恥を感じてほしい:8.0%
 9.受け取った人の自尊心が傷ついてほしい:6.9%
 10.「私のペニスにネガティブな反応よりもポジティブな反応を返してほしい」:26.6%
 11.「私のぺニスにネガティブな反応を返されるよりも何の反応もない方が嫌だ」:10.3%

結論・考察:

 

・相手を傷つけるという動機よりも,相手を興奮させたいという動機の方が圧倒的に優勢
 ⇒女性と比べて男性の方が性的な画像を受け取ることに抵抗がない ⇒ これに起因してバイアスが生じているのではないかとの考察