Laumann, E. O., Paik, A., Glasser, D. B., Kang, J. H., Wang, T., Levinson, B., Moreira, E. D., Nicolosi, A., & Gingell, C. (2006). A cross-national study of subjective sexual well-being among older women and men: Findings from the global study of sexual attitudes and behaviors. Archives of Sexual Behavior, 35 (2), 145–161. doi: 10.1007/s10508-005-9005-3.
①調査手法:質問紙法
②調査協力者:
29ヵ国の女性13,882名,男性13,618名
③独立変数
1.主観的性的幸福(α = .80):
《感情的・身体的満足》
「過去12か月の間,あなたはパートナ―との関係をどの程度身体的な快楽を感じるものと思いましたか」「過去12か月の間,あなたはパートナーとの関係をどの程度感情的な満足を感じるものと思いましたか」
:「全く満足しなかった」(1) ~「非常に満足した」(5)
《性的機能》:
「あなたが今日のような性的機能と共に残りの人生を生きるとすれば,それにについてどう感じますか」
:「全く不満足」(1) ~「非常に満足」(5)
《セックスの重要性》:
「セックスはあなたの人生全般にとってどの程度重要なものですか」
:「全く重要でない」(1) ~「非常に重要」(5)
2.全般的幸福:
「一般的に言って,過去12か月の間,全体(身体,社会,家族,仕事)としてあなたの人生はどの程度幸せでしたか」
:「全く幸せでなかった」(1) ~「非常に幸せだった」(5)
③従属変数
1.身体的・心理的健康:
・自己報告式の健康:「悪い」(1) ~「良い」(4)
・身体活動:「平均以上」を基準
・病歴
2.関係性の特徴:
・パートナーの有無
・婚姻状況:「既婚」「同棲中」「独身」
・パートナーとの関係性の予測:「ずっと一緒」「一緒にいたい」「一緒にいるとは思わない」
3.性的実践
・過去12か月間でのセックスの平均的な頻度:「1か月に1回以下」「1か月に2,3回」「少なくとも1週間に1回」
・前戯に費やす時間:「0分」「5分以下」「6~15分」「16~30分」「30分以上」
4.性的態度
「年配の人はセックスを望まない」
「男性は愛していない相手とでもセックスを楽しむことができる」
「『真の男』はいつでもセックスの準備ができているものだ」
「男性よりも女性の方が性的欲求をコントロールできる」
:「全くそう思わない」(1) ~「非常にそう思う」(5)
①クラスター分析
・主観的性的幸福を用いて階層的クラスター分析

・Cluster 1:ヨーロッパの国
・Cluster 2:地中海の国とアジアの国
・Cluster 3:東アジアの国
⇒ 各指標の得点はCluster 1が最も高く,Cluster 3が最も低い。Cluster 2は中間
⇒ どの国でも女性よりも男性の方が得点が高い
②重回帰分析1
・主観的性的幸福の各項目を従属変数にしてクラスターごとに重回帰
・セックスの頻度やパートナーへの興味が強い関連
・性的態度はクラスターは性別ごとに結構違う
⇒ 変数が非常に多いので,細かい結果は省略
③重回帰分析2
・全般的幸福感を従属変数にしてクラスターごとおよび全体で重回帰
・パートナーとの身体的快楽と感情的快楽はどのクラスターでも強い関連
・日本が入っているCluster 3では,身体的快楽および感情的快楽と性別の交互作用項が有意=身体的快楽および感情的快楽の予測力は女性よりも男性で強い
・世界の性的幸福は3つのクラスターに分けられる。日本は最も幸福でないクラスターに含まれる
・各クラスターでは性的幸福を予測する変数はそれぞれ異なる
・アジアの国で幸福が低く,ヨーロッパで高い理由については,考察はなし