West, K.(2019). "Interethnic Bias in Willingness to Engage in Casual Sex Versus Committed Relationships." Journal of Sex Research , 00(00) ,1-12. doi: 10.1080/00224499.2018.1546372
人種を超えたロマンチックな関係性が広く見られるようになった。これは,多様性のある社会を示す良い指標のように思われる。しかし,肌の色による偏見は,依然として存在している。この研究では,「気軽な性的関係」と「婚姻や恋人関係」は人種の影響を受けるのかを検討した。
成人した白人のイギリス人:3453人
内訳
性別
男性:1687(48.9%)
女性:1766(51.1%)
性的指向
異性愛(heterosexual):3101(89.9%)
同性愛(homosexual):153(4.4%)
両性愛(bisexual):108(3.1%)
その他:91(2.4%)
「とても当てはまらない」~「とても当てはまる」の11件法の質問紙
白人・黒人・東アジア人・南アジア人のすべての人種について,次の質問文を提示
質問文①「【人種】と,恋愛関係なしで性的な関係にどれくらいなりたいですか?」
質問文②「【人種】と,どれくらい結婚したいですか?」
※【人種】には,白人・黒人・東アジア人・南アジア人のいずれかがランダムに入る
※東アジア人→中国,日本等/南アジア人→インド,パキスタン等
人種(4)×関係性(2)×性別(2)×性的指向(2)の混合分散分析
・人種 :白人,黒人,東アジア人,南アジア人
・関係性 :気軽な性的関係,婚姻関係
・性 別 :男性,女性
・性的指向:異性愛,同性愛+両性愛+その他
〇主効果
・人種による選好
白人が,黒人・東アジア人・南アジア人のいずれよりも有意に好まれる。
黒人は,東アジア人・南アジア人よりも好まれる。
・全体的傾向
婚姻関係よりも気軽な性的関係を好む。
・性別
男性は,女性よりも,婚姻関係・気軽な性的関係のいずれも好む。
・性的指向
性的少数派は,多数派よりも,婚姻関係・気軽な性的関係のいずれも好む。
〇交互作用
・人種×関係性
白人は,気軽な性的関係よりも婚姻関係を望まれる。
黒人・東アジア人・南アジア人は,婚姻関係よりも性的関係を望まれる。
・性別×人種×関係性
男性
白人では気軽な性的関係と婚姻関係で有意差なし
黒人・東アジア人・南アジア人は,婚姻関係よりも気軽な性的関係を望まれる。
女性
白人では気軽な性的関係よりも婚姻関係を望まれる。
黒人・東アジア人・南アジア人は,気軽な性的関係よりも婚姻関係を望まれる。
ただし,気軽な性的関係と婚姻関係の差は,白人が圧倒的に大きい。
→白人と婚姻関係になりたいという気持ちが最も大きい
〇その他
・性的指向が,少数派でも,上記と同じ結果。
人種間の結婚は広く認められるが,どのような関係を望むかという点において,人種による違いが見られた。
イギリスの白人に調査を行ったところ,性や性的指向を問わず,白人を好むことが明らかになった。また,婚姻関係と気軽な性的関係という観点では、男性において,対白人に対しては,望む関係性に違いはなかったが,対その他の人種では気軽な性的関係を望むことが分かった。女性においては,いずれの人種でも有意に婚姻関係を望むようだが,婚姻関係を望む気持ちは,対白人において最も大きくなることが分かった。
したがって,本研究の調査対象者にとっては,白人と関係性を結ぶことが尊重されている,もしくは白人以外の人種が軽んじられているということが示唆された。