#9 大学1年生の考える気軽な性的関係のメリット・デメリット

書誌情報:

 

Kristin, M. A., Eric, G., Yazedjian, Y., & Toews, M. L. (2019). “Sex is Easier to Get and Love is Harder to Find”: Costs and Rewards of Hooking Up Among First-Year College Students. Journal of Sex Research , 57 (2), 247-259. doi: 10.1080/00224499.2019.1667946

目的

 

 社会的交換理論に沿って,大学のキャンパスにおいて一般的なものと考えられている気軽な性的関係(hook up)の分析を行う。
 

方法

 

対象:
 アメリカの大学1年生 60名(男性:30名 女性:30名)
調査方法:
 調査協力者を6つのグループに分けて,それぞれに半構造化インタビュー
調査内容:
 「大学1年生は,気軽な性的関係のコストや報酬を何だと考えると思いますか?」等,4種類の話題を提供
分析方法:
 インタビューから得られた実験協力者の発言を、主題分析により分析。
 

結果

 

主題分析により,気軽な性的関係のメリット・デメリットが抽出された。

〇メリット
・楽しいこと
 複数の協力者が、気軽な性的関係を,楽しいことや性的に楽しい行為と捉えていた。
・性的欲求の充足
 すべてのグループが,気軽な性的関係を,性的な欲求を満たす機会と捉えていた。
 また,その性的欲求とは,ホルモンのような生物学的なものに由来すると考えていた。
・地位や達成感の獲得
 男性に特徴的な回答であり,彼らは,大学内での性的な関係を達成感が得られるゲームやチャレンジのように捉えていた。そして,女性と,気軽な性的関係になることが,その人の社会的地位を高めることにつながるとしていた。
・潜在的な関係性の進展
 すべてのグループで,気軽な性的関係になることが,実際の恋愛関係に進展する可能性を秘めているものであると捉えていた。

〇デメリット
・後悔/失敗
 すべてのグループで,気軽な性的関係の経験のうち,少なくとも一回は間違いを犯してしまったといった後悔をしていた。
 女性は,大半の気軽な性的関係の後に後悔を経験すると答えた。
 男性は,経験した気軽な性的関係が,期待外れであった際に後悔すると答えた。
・あいまいさ
 気軽な性的関係の定義に性差があり,その齟齬が不利益を生むことがある。
 女性は,キスなども気軽な性的関係に含めるなど,幅広い行為を含む。
 男性は,性行為やそれに近しい行為のみを含めるなど,女性と比して範囲が狭い。
 例えば,女性はキスまでと思っていたが,男性は性行為までを期待していた場合,そのすれ違いが,気軽な性的関係となった際に相互の不満につながる。
・性的な病気のリスク
 気軽な性的関係を築くことで,性行為等によって感染する病気のリスクが増大する。
・尊敬の損失
 気軽な性的関係を築くことで,友人や,知人などからの評判が悪くなること。