Gesselman, A. N., Webster, G. D., & Garcia, J. R. (2017). Has Virginity Lost Its Virtue? Relationship Stigma Associated With Being a Sexually Inexperienced Adult. Journal of Sex Research, 54 (2), 202–213. doi: 10.1080/00224499.2016.1144042 (Study 3)
①調査手法:準実験
②調査協力者:アメリカ東南部の公立大学の心理学部の異性愛者の学生353名 (女性240名, 男性113名,平均年齢18.6歳,SD = 1.0)
③設計:
・出会い系サイトを作るのを手伝ってほしいと調査協力者に依頼
・「相手」(出会い系サイトで表示される人)の私生活をすべて記録し,出会い系サイトの内容はその記録に沿っている」旨を教示
・調査協力者は相手のプロフィールを見せられ,評定を行った(写真は提示されなかった)
[プロフィールの内容]
1.ジェンダー(調査協力者の異性)
2.交際相手(なし)
3.子どもの有無(なし)
4.パーソナリティ特性(Big 5)
5.趣味
6.年齢(16歳, 20歳,25歳)
7.性経験(少,中,多)
8.恋愛経験(少,中,多)
・1~5は固定,6はランダム
・性経験と恋愛経験については,「私たちの研究での平均的な人」と相手の経験をグラフ化したものを提示
・そのような平均と比べて,相手の経験が「少ない」か,「同じくらい」か,「多い」かで条件を設定
・実際の刺激は論文に含まれていないため不詳だが,おそらく下のような内容が呈示されたのだと思われる(調査協力者の性別:女性,年齢:25歳,性経験・恋愛経験:少の場合,趣味の具体的な内容は文中に書かれていなかったので適当)

④従属変数:相手の魅力
1.この人はどの程度魅力的ですか
2.あなたはこの人とどの程度相性が良いと思いますか
3.全体としてこの人にどの程度惹かれますか
4.交際相手としてこの人はどの程度魅力的ですか
5.この人を交際相手として友人に勧める可能性はどのくらいありますか
6.この人は交際相手の理想にどの程度近いですか
7.誰かと一時限りの性的な出会いをすることに関心があると想像してください。この人とそのような一時限りの性的な出会い(「ワンナイトラブ」)をどの程度したいと思いますか。
8.誰かと真剣な関係を持つことに関心があると想像してください。この人と真剣な関係をどの程度持ちたいと思いますか。
選択肢:「全く」(1)~「非常に」(4)
信頼性係数:α = .92
⑤その他の独立変数:
1.調査協力者の性別(女性 = -0.5,男性 = 0.5)
2.調査協力者の年齢
3.性経験(経験なし = -0.5,経験あり = 0.5)
①相関(Table 4)
相手の魅力と有意な相関を示した変数
1.調査協力者の性別(r = .12, p < .05)
2.相手の性的経験(r = -.12, p < .05)
3.相手の恋愛経験(r = .21, p < .01)
②重回帰(Table 5)
・上述の変数すべてと二次の交互作用を投入
相手の魅力と有意な関連を示した変数
1.調査協力者の性別(β = .127 [.018,.233], p < .05)
2.相手の性的経験(β = .212 [.105,.314], p < .001)
3.調査協力者の年齢×相手の年齢(β = .115 [.006,.222], p < .05)
4.調査協力者の性経験×相手の性経験(β = .176 [.068,.280], p < .01)
交互作用
1.調査協力者の年齢×相手の年齢
⇒ 自分と同じくらいの年齢の相手が選ばれる(そこまで面白い結果ではないので統計値は省略)
2.調査協力者の性経験×相手の性経験
・相手の性経験が少ない場合:調査協力者の性経験と相手の魅力は負の有意傾向(β = -.10 [-.21,.01], p = .067)
・相手の性経験が多い場合:調査協力者の性経験と相手の魅力は有意な正の関連(β = .16[.06,.27], p = .003)
・調査協力者の性経験がない場合:相手の性経験と相手の魅力は有意な負の関連(β = −.18 [−.28,−.07], p = .001)
・調査協力者の性経験がある場合:相手の性経験と相手の魅力は無関連(β = .06[−.05,.17], p = .29)
・相手の性経験の多寡はその人の魅力の評定と関連する
⇒ 相関では性経験がない方が魅力的だと思われるが,重回帰で他変数を統制すると関連はなくなる程度の弱いもの
・相手の恋愛経験の多寡はその人の魅力の評定と関連する
⇒ 恋愛経験がある方が魅力的だと思われるが,こちらは重回帰で統制しても有意であるためある程度強いもの
・相手の恋愛経験の自分の恋愛経験の多寡の間には交互作用がある
⇒ 恋愛経験がない人は恋愛経験がない相手を魅力的だと思う。恋愛経験がある人は相手に恋愛経験があるかを気にしない
・なおStudy 2では,相手の性経験の有無に対して,調査協力者の性別と性経験の有無の交互作用項が有意(β = −.030[−.058,−.002], p < .001)
・女性より男性の方が処女・童貞と付き合いたがらないが,この傾向は性経験なし群(β = −.05[−.02,−.08], p = .001)よりも性経験あり群(β = −.20[−.17,−.22], p < .001)で顕著
・性経験のある回答者と比べて性経験のない回答者は,性経験のない相手と付き合いたがらないが,この傾向は男性(β = −.09[−.06,−.11], p = .001)よりも女性(β = −.14[−.11,−.17], p = .001)で顕著
⇒ 「童貞は処女を好む」というわけではなく、むしろ「処女は童貞を好まない」ということか