Weierstall, R., & Giebel, G. (2017). The Sadomasochism Checklist: A Tool for the Assessment of Sadomasochistic Behavior. Archives of Sexual Behavior, 46 (3), 735–745. doi: 10.1007/s10508-016-0789-0.
①調査手法:質問紙法
②調査協力者:SM交流サイト・掲示板に掲示された質問紙を見て関心を持ったドイツ語話者652名
③変数:
1.自己認識:自分が「サディストだと思うか」「マゾヒストだと思うか」「両方だと思うか」(switches) 「どちらでもないか」(conventional)
2.性的快楽(マゾヒズム24項目,サディズム24項目):尺度内のプレイに「どの程度の性的快楽を感じるか」 「全く感じない」(0) ~ 「非常に感じる」(4)
・項目は文献・ウェブサイトのレビューから作成
・マゾヒズムの項目とサディズムの項目は対応している
3.経験:「経験がない」(0) , 「自慰の際に空想する」(1),「経験がある」(2)
4.性的方向性:「異性」(0) ~ 「同性」(7)
自己認識の性差

・自分がマゾヒストだと思う人は,自分がサディストだと思う人よりも多い
・カイ二乗検定の結果,男女の散らばりは有意 (χ2 (1)=105.70, p < .001)
⇒SにはMと両方と比べて男性が多く (χ2 (1)=26.32, p < .001),MにはSと両方と比べて女性が多い (χ2 (1)=27.33, p < .001)
②因子分析
※性的快楽と経験の両方を使っているのか,そのどちらかであるのか不明確
マゾヒズム項目

1.「支配系」(domination):他の人と一緒に(相手から)辱められる,口で恥ずかしめられる など
2.「道具系」(toys):性器を痛めつけられる,万力 (clamps) を使われる など
3.「ソフトプレイ系」(soft play):目隠しをされる,縛りつけられる など
4.「殴打系」(beatings):スパンキングされる,鞭で叩かれる など
5.「呼吸系」(breath):首を絞められる,意識を失わせられる など
6.「排泄物系」(bodily fluids):尿をかけられる,体液を飲ませられる など
・サンプルは「自分がサディストだと答えた人」と「両方だと答えた人」 (n = 291)
・「ひっかかれる」 (clawing) は「ソフトプレイ系」と「呼吸系」に多重負荷
サディズム項目

1.「支配系」:他の人と一緒に(相手を)辱められる,口で恥ずかしめられる など
2.「道具系」:性器を痛めつけられる,万力 (clamps) を使われる など
3.「ソフトプレイ系」:目隠しをされる,縛られる など
4.「殴打系」:スパンキングされる,鞭で叩かれる など
5.「呼吸系」:首を絞められる,意識を失わせられる など
6.「排泄物系」:尿をかけられる,体液を飲ませられる など
・サンプルは「自分がマゾヒストだと答えた人」と「両方だと答えた人」 (n = 385)
・「縛りつける」 (tying up) は「支配系」「道具系」「ソフトプレイ系」に多重負荷
・「激しい性交」 (rough intercourse) は「殴打系」「ソフトプレイ系」に多重負荷
⇒SMプレイにはある程度普遍的に含まれるプレイだということだろう
・「体液を飲ませる」 (swallowing) は「支配系」「排泄物系」に多重負荷
自己認識ごとの性的快楽の得点
マゾヒズム項目 (Table 2)
マゾヒスト (M = 8.71, SD = 12.49) > 両方 (M = 60.56, SD = 15.25) > どちらでもない (M = 44.66, SD = 18.47) > サディスト (M = 20.67, SD = 15.90)
⇒ すべての差は有意 (p < .01)
サディズム項目
サディスト (M = 54.18, SD = 17.41) > 両方 (M = 44.24, SD = 18.21) > どちらでもない (M = 21.36, SD = 16.50) > サディスト (M = 11.74, SD = 15.99)
⇒ すべての差は有意 (p < .01)
・マゾヒストよりサディストの方が多い
・サディストには男性が多く,マゾヒストには女性が多い
・SMプレイは大きく6つに分類される