Gauvin, S. E. M., Yessick, L., & Pukall, C. F. (2020). Picking Up Good Vibrations: Discrepant Vibrator Use, Sexual Functioning , and Sexual Well-Being in Women with Male Partners. Psychology and Sexuality, 11 (3), 254–265. doi: 10.1080/19419899.2019.1679230
①調査手法:質問紙法
②調査協力者:カナダ,アメリカ,ヨーロッパ等のパートナーのいる18歳以上の女性488名 (女性240名, 男性113名,平均年齢25.74歳,SD = 6.91)
③調査項目:
1.デモグラフィック変数:年齢,性的志向,交際状況,出身地,人種,教育水準,収入
2.バイブ使用の性的文脈
・「一人でもパートナーとも使う」(S/P群),「一人では使うが,パートナーとは使わない」(S群),「一人でもパートナーとも使わない」(N群)の3群に分類
3.女性版性的機能指標(Female Sexual Function Index: FSFI; Rosen et al., 2000)
・19項目6因子:性的欲求,昂奮,潤滑(lubrication),オルガズム,満足,苦痛
・これらのうち,満足は次の尺度に差し替えている
4.性的満足共通尺度(Global Measure of Sexual Satisfaction: GMSEX; Lawrence & Byers, 1995; Lawrence, Byers, & Cohen, 2019)
5.性的交換質問紙(Sexual Exchanges Questionaire: SEQ; Lawrence, Byers, & Cohen, 2019)
・Ⓐ現在の関係におけるセックスの損得のバランス(今の性的関係はどれほどの報酬をもたらし,どれほどのコストをもたらしているか),Ⓑ性的なパートナーとの平等性の知覚,Ⓒ実際に手に入れた損得と予想された損得のバランスの三つの要素がある
・この研究ではⒶのみが使われている
6.二項的性的コミュニケーション尺度(The Dyadic Sexual Communication Scale: DSCS; Catania, 2011)
・性的なコミュニケーションに対して相手がどの程度反応するか
各群の人数:S/P群=187名,S群=83名,N群=198名
①女性版性的機能指標(Table 2)
・どの下位因子でもグループ間の有意差なし(F (2, 462) s < 2.19, 偏η2 s < 0.010)
②性的満足共通尺度(Table 2)
・分散は有意((F = 4.72, p = .009, 偏η2 = 0.020)
・多重比較:S/P群は,N群よりも有意に高い(t (268) = 2.35, p = .027, Cohen’s d = 0.37)

③性的交換質問紙(Table 2)
・分散は有意((F (2, 462) = 8.37, p < .001, 偏η2 = 0.035)
・S/P群は,S群(t (268) = 1.25, p = .003, Cohen’s d = 0.47)およびN群(t (268) = .92, p = .005, Cohen’s d = 0.35)よりも有意に高い
⇒性的関係の報酬を高く評価する
④二項的性的コミュニケーション尺度(Table 2)
・分散は有意((F (2, 452) = 12.68, p < .001, 偏η2 = .053)
・S/P群は,S群(t (263) = 7.78, p < .001, Cohen’s d = 0.62)およびN群(t (371) = 4.22, p = .005, Cohen’s d = 0.36)よりも有意に高い
⇒セックス中のコミュニケーションを多くしている
・パートナーとバイブを使う人は,一人でしか使わない人および一人でもパートナーとも使わない人と比べて,性的に満足しており,セックスが報酬をもたらすものと認識しており,セックス中のコミュニケーションも多い
⇒ パートナーとのバイブ使用には肯定的な効果がある
・ただし,性的機能については差はない
・一人でしかバイブを使わない女性は,性的に満足しておらず,セックスは負担をもたらすものと認識しており,セックス中のコミュニケーションも少ない
⇒自分のしたいプレイをしたいと言い出せないからではないかとの考察