#2 胸が大きな女性はどのようなイメージを持たれているか

書誌情報:

 

Kościński, K., Makarewicz, R., & Bartoszewicz, Z. (2020). Stereotypical and Actual Associations of Breast Size with Mating-Relevant Traits. Archives of Sexual Behavior, 49(3), 821–836. doi: 10.1007/s10508-019-1464-z (Study 2).

手法:

 

①調査手法:実験法
②調査参加者:ポーランドの大学の学生517名(サンプル2A:女性140名,男性125名,平均年齢23.2歳,SD = 4.1歳; サンプル2B:女性154名,男性98名,平均年齢26.1歳,SD = 6.6歳)
 下の独立変数1~5をサンプル2Aに,独立変数6~10をサンプル2Bに提示
③従属変数:胸の大きさを3段階 (平均,-1SD,+1SD ) に変えた女性の3Dモデルのどれか1つを呈示
④独立変数:その女性についての評定
 1.身体的魅力(physical attractiveness):「最も魅力が低い」(1) ~「最も魅力が高い」(7)
 2.性的欲求(sexual desire):「最も性的欲求が低い」(1) ~「最も性的欲求が高い」(7)
 3.性的奔放性(sexual promiscuity):「特定の相手とではないセックス (casual sex) に参加することを望まない」(1) ~「特定の相手とではないセックスに参加することを望む」(7)
 4.生殖能力(reproductive efficiency):「妊娠したり働くことに問題がある」(1) ~「問題なく妊娠したり働くことができる」(7)
 5.授乳能力(lactational efficiency):「母乳が量・質ともに劣っている」(1) ~「母乳が量・質ともに優れている」(7)
 6.妻としての魅力(marital attractiveness):「妻としてふさわしくない」(1) ~「妻としてふさわしい」(7)
 7.恋人としての魅力(sexual attractivenessy):「恋人としてふさわしくない」(1) ~「恋人としてふさわしい」(7)
 8.貞淑性(fidelity):「パートナーに対して不誠実である」(1) ~「パートナーに対して誠実である」(7)
 9.知性(intelligence):「最も低い知性」(1) ~「最も高い知性」(7)
 10.勤勉性(diligence):「非常に怠惰」(1) ~「非常に勤勉」(7)
⑤その他:尻の大きさと髪の色も変えて条件を作っている(が,これらの変数は主題ではないとのこと)

分析:

 

記述統計

・身体的魅力:中と大に差なし
・結婚相手としての魅力:中と大に差なし
・IQ:小と中に差なし

一般化線形モデリング(GLM)
・従属変数:上記の評定 ・独立変数:回答者の性別,モデルの胸の大きさ,尻の大きさ,髪の色,回答者の同一性(同じ回答者か; 回答者の性別にネスト),胸の大きさ×回答者の性別,胸の大きさ×尻の大きさ,胸の大きさ×髪の色

有意だった変数(Table2; 回答者の同一性は身体的魅力を除いて有意だが,あまり意味のある変数ではないので省略)
《身体的魅力》:胸の大きさ (偏η2 = .20, p < .001),尻の大きさ (偏η2 = .11, p < .001)
《性的欲求》:性別 (偏η2 = .04, p = .001),胸の大きさ (偏η2 = .23, p < .001),尻の大きさ (偏η2 = .06, p < .001)
《性的奔放性》:胸の大きさ (偏η2 = .08, p < .001),髪の色 (偏η2 = .02, p = .002)
《生殖能力》:胸の大きさ (偏η2 = .09, p < .001),尻の大きさ (偏η2 = .40, p < .001)
《授乳能力》:胸の大きさ (偏η2 = .55, p < .001),尻の大きさ (偏η2 = .01, p = .047)
《妻としての魅力》:性別 (偏η2 = .03, p = .004),胸の大きさ (偏η2 = .14, p < .001),尻の大きさ (偏η2 = .04, p < .001)
《恋人としての魅力》:胸の大きさ (偏η2 = .22, p < .001),尻の大きさ (偏η2 = .05, p < .001)
《貞淑性》:性別 (偏η2 = .04, p = .003),胸の大きさ (偏η2 = .02, p = .005),尻の大きさ (偏η2 = .02, p = .015),胸の大きさ×髪の色 (偏η2 = .02, p = .037)
《知性》:性別 (偏η2 = .06, p < .001),胸の大きさ (偏η2 = .04, p < .001)
《勤勉性》:性別 (偏η2 = .03, p = .008),胸の大きさ×髪の色 (偏η2 = .02, p < .016)

結論:

 

・胸の大きさはすべての従属変数に対して有意
 ⇒ 胸の大きさは女性についての判断を行う上で重要な変数
・交互作用は2つを除いて非有意(その2つも効果量は極めて低い)
 ⇒ 男女で評定の判断構造に差はない
・胸が大きな女性は性的に魅力的であり,性的な関係性の相手としては求められるが,妻としては特別求められるわけではないし,性的に奔放で頭が良くなく怠惰であると思われてしまいやすい